K-kitによる液体TEM |
電子顕微鏡はナノスケールの組成と形態を評価するために不可欠なツールですが、ほとんどの電子顕微鏡の分析は真空環境で行われます。
生体組織や体液のような試料では、検体となる前に特別な処理を施さなければならない場合がありますが、その処理中に試料の重要な特性が損なわれることがあります。特に、粒子の分散は、粒子が媒体中にある場合にのみ意味を持ちます。
K-kitは「簡単・便利」をコアコンセプトに、液体中のナノ粒子分析の問題を解決できます。ナノ粒子を含むあらゆる液体製品はK-kitを使用して分析することができ、製品開発と製造のQCを向上し、製品の競争力が大幅に強化されます。
K-kitはMA-tekが開発した液体分析のための革新的なTEM試料ホルダーです。 |
技術コンセプト |
K-kitは、液中試料のTEM観察が容易に行えるように設計されたサンプルホルダーで、電子線を透過する厚みで液体サンプルを真空封止することができます。材料、化学、生物学研究など、多くの分野に適用できるマイクロチャンバーとして、液体サンプル中のナノ物体とそれらの強凝集体および弱凝集体(NOAAs)の特性評価を可能にします。
あらゆるTEMホルダーに対応 |
Cuグリッド上(乾燥状態) |
K-kit内(ドライモード) |
液中サンプルTEM
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(a)ウェットモード:液体試料を封入し、液中環境下でTEM観察を行 います
(b)薄層(ドライ)モード:独自の試料調製手順により、オリジナル の形態と物理的状態を保持し、画像解像度が向上します |
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K-kitの詳細については、下記リンクをご覧ください:
・バイオメディカルと有機サンプルの試料調整
・液中TEM 用K-kit
アプリケーション |
CMPスラリー中の研磨剤
スラリー原液中の一次粒子と二次粒子
・組成
・粒度・粒度分布
・形状
・凝集状態
・表面
Cuグリッド上で乾燥 | クライオTEM(凍結) | K-kit(ウエットモード) |
ナノ医薬品の液中TEM観察
K-kitの適用粒子濃度 1011~1014粒子/ml
AuroVist®溶液をそのままK-kitにローディングし封止しました。
水中油型エマルジョンを液状のままK-kitにローディングし、封止しました。
表に示すように、現在市販されているほとんどのナノ医薬品は、すべてK-kitに適用可能な(計数可能な)粒子濃度範囲を満たしています。したがって、K-kitはナノ医薬品のCROまたはCMCアプリケーションに非常に適していることがわかります。
リポソームやAAVのような粒子は、コントラストが低かったり、サイズが小さすぎたりするため、K-kitを使用してTEMで粒子を直接識別することができない場合があります。現在、低コントラストのナノドラッグのTEM観察を改善するために、より小さなリポソームを最初の例として、K-kitのネガティブ染色手順を開発しています。進捗状況は随時このホームページで更新していきます。
K-kitを用いたCROアプリケーションのためのEMベースの画像解析
可能なCROアプリケーション
・創薬・医薬品開発
・医薬品製造(CMC)
・薬物動態試験
・初期臨床試験
代表的な分析項目(ご提案)
・生体液(血液、血清、薬物など)中のナノ粒子
・薬物キャリア(エクソソーム、リポソーム)の画像解析
・遺伝子治療のためのAAV画像解析
・その他
CROマーケットにおけるK-kitの最新ニュース
右側のポスターは2019年6月にフランスで開催されたRCCM Banyuls 2019で発表されたもので、K-kitは有名な製薬会社SANOFIの新薬開発におけるEMベースのイメージングソリューションとして検討されています。
溶液中の量子ドット
量子ドットのデバイスとコンポーネントの市場規模は、2026年までに110億ドルを超えると予測されています。
QD:量子ドット
BLU:バックライトユニット
LCM:液晶モジュール
QDEF:量子ドット強化フィルム
クロロホルム中のQDのサイズとサイズ分布(K-kitの薄層モード)
サンプル溶液を直接K-kitに導入
ナノ粒子 = 一次粒子
弱凝集体・強凝集体 = 二次粒子
In-situ動的観察
K-kitによって、液体中の反応過程の動的変化を観察し、研究することができます。
PBS緩衝液中でのポリスチレンビーズの動的観察
ポリスチレンビーズ周囲のPBS緩衝液中で、TEMの電子線照射によるナトリウムイオンの還元過程を長時間観察することができました。
ポリスチレンビーズの有無による水中でのAuの成長
水中でのAuイオンの金属成長は、ポリスチレンビーズから遠い領域と近い領域で同時に動的に観察できます(画像は、中央にポリスチレンビーズがあり、その周囲に比較的小さなAu粒子が数多く確認できます)。
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