このサイトでは、皆様の閲覧体験からサイトの改善を目指すことを目的としてCookieの使用に同意いただくことをお願いしております。
このサイトを継続して使用されることにより、Cookieの使用を受け入れて頂いたことになります。
詳しくは、私たちが設定している個人情報保護方針をご覧ください。
Close

FIB回路修正

材料分析

液中ナノ材料分析 K-kit

お申込みフォーム

ダウンロード

中古機械

MA-tek FTP

サステナビリティレポート 本文一括ダウンロード

K-kit

液中TEM用 K-Kit

 

液中サンプルのTEM観察を可能とするMA-tekのソリューション

 

K-kitは液中ナノ材料のTEM観察を容易にするために設計されたサンプルホルダーで、液体中に存在するナノ物体およびそれらの弱凝集体および強凝集体(NOAAs)の特性評価を可能にします。電子線が透過可能な厚さで液体を封入できるK-kitは、材料、化学、生物学研究の多彩な実験のためのマイクロチャンバーです。

 

 

なぜK-Kitなのでしょうか?

 

 

  1. 簡単・迅速・手頃
  2. 各種TEMホルダーに取付可能
  3. TEM、STEM(SEM-STEMを含む)の観察に利用可能
  4. 優れた耐薬品性
  5. クロスコンタミネーションフリー(ディスポーザブル)
  6. 定量分析が可能
  7. 粘性のある液体のローディング
  8. 広い使用温度範囲 -196℃~120℃

 

 

 

各種TEMホルダーへの対応

K-kitには3mmのTEMグリッドが付属しており、各種TEMホルダーに取り付けできます。

   

 

 

K-kitと従来のTEMグリッドとの比較

K-Kitを使用した液体状態のCMPスラリーのTEM像 個々の粒子を明確に識別することができます。

 

Cuグリッド上で乾燥したCMPスラリーのTEM像 凝集しているため、個々の粒子を分析することができません。

 

 

 

 

K-kitとin-situ TEMホルダーとの比較

K-kitは、液中TEM観察において、最も迅速かつ便利なオプションとなり得ます。

 

 

約90分(10サンプルの場合)

K-kit 10個分のサンプルローディング・付随作業(~70分)+真空引き(~20分)

 

 

450分以上(10サンプルの場合)

表面処理、組み立て、漏れ検査、後洗浄などの工程をサンプル毎に繰り返す必要があります。(各45分以上)

 

 

 

 

素材および構造の独自性

 

K-kitは、TEM観察が可能な窒化膜の窓を持つSiベースのマイクロチャネルデバイスです。一見不規則に見える形状は、KOH異方性ウェットエッチングによるもので、デバイス中央の長方形の観察窓の形成もこのエッチングによるものです。液体チャネルは窓と平行で、両端には開口部があります。

 

広い使用温度範囲 :-196℃〜120℃(加熱・クライオTEMホルダーで使用可能)

 

 

 

 

チャネルチップ

チャネルの両端にはチップが形成され、チャネルの表面状態や清浄度を保護しています。

 

 

 

サンプルローディングの確実性

毛細管現象により、3,000mPa・sの粘度の液体でも確実にK-kitに充填することができます。

 

 

ユニボディ構造

クロスコンタミネーションフリー(ディスポーザブル)なので、使用前の組み立てや表面処理、前洗浄などの工程が不要です。

 

 

 

優れた耐薬品性

K-kitのシール材(Torr Seal)を個別にさまざまな薬品に24時間浸したところ、FTIR分析の結果は完璧に見えました。

 

 

 

 

高画質TEM像

   

 

ギャップ0.2um/窓厚30nmのK-kitを用いることで、AuCl4溶液の還元工程で生成した金ナノ粒子の格子が鮮明に観察できます。(By FEI Talos TEM @ 200kV)

 

 

     

水中に分散した多層カーボンナノチューブ(MWCNT)のTEM像。ギャップ2um/窓厚30nm K-kitを用いることで、MWCNTの構造を明瞭に観察することができます。(日立HT7700 TEM @100kVによる; MWCNTs:OD30-80nm, Length <10um, 10wt%)

 

 

 

さまざまなEMアプリケーション

 

 

SEM-STEM観察

ドライモード・ウェットモードを問わず、SEM-STEMでの観察も可能です。K-kitに導入した10nm以下のAu粒子をSEM-STEMで良好に観察できることを確認しています

 

K-kitに導入した金ナノ粒子

 

100nm NISTポリスチレンビーズ

 

 

マルチローディング

 

ユニボディ構造を持つK-kitは、免疫電子顕微鏡や触媒化学の研究など、マルチローディングのアプリケーションに使用することができます。

 

 

A液のK-kitローディング(1回目の)→A液のドライモードの準備→B液のK-kitローディング(2回目)→B液のドライモードまたはウェットモードの準備

 

K-kitを用い、マルチローディングを行うことで、特定の血小板顆粒の存在を標識・観察することができました。必要な前処理や洗浄を行った後、K-kit内の血小板サンプルを一次抗体(マウスモノクローナル抗P-セレクチン抗体)とインキュベートし、次に二次抗体(6nm金標識ヤギ抗マウスIgG抗体)と37℃で2時間反応させ、K-kitを封止してTEM観察を行いました。 (Appl. Sci. 2020, 10, 4946)

 

     

K-kitを用いた血小板顆粒の免疫電子顕微鏡写真

 

 

ネガティブ染色

 

リポソームやエキソソームなどの一部の生物学的顆粒は、通常、EM 画像で低コントラストの問題を抱えています。重元素 (金属) によるネガティブ染色により、これらのサンプルのコントラストを高めることができます。 K-kit のネガティブ染色プロトコルに関しては、酢酸ウラニル (UA) を使用することをお勧めします。以下の手順を参照してください。

 

 

まず、正確な脱イオン水を加えて UA 剤を希釈し、液体中の UA の体積比が 2% になるようにします。

希釈した UA と試料溶液を体積比 1:1 で混合します。

K-kitによる液体充填とTEM観察

 

         Cuグリッド上(乾燥状態) 

 

 

        K-kit内(液体を含む)

 

 

 

Cuグリッド上およびK-kit内のコラーゲンのネガティブ染色TEM像。図Bに示すように、ウェットモードのK-kitを用いることで、コラーゲンナノファイバーを明瞭に観察することができました。

 

     

K-kitを用いた血小板顆粒のネガティブ染色TEM像(Appl.Sci.2020,10,4946)

 

 

EDX分析

TEMのEDX検出器は試料に対して10~20°程度の角度で配置されており、K-kitの観察窓から励起されるX線信号は、その形状によって遮られやすくなります。その場合、K-kitの観察窓の長辺をEDX検出器側に向け、さらにTEMホルダーを15°以上傾けることで、EDX分析が可能になります。

 

   

 

K-kitでEDX分析を実現する方法

 

窓の長辺を検出器に向け、ホルダーをある程度の角度で傾けることで、k-kitでEDX分析ができるようになる可能性があります。

 

   

 

  複数のEDX検出器を搭載したTEMの場合、励起されるX線信号がK-kitの形状によって完全に遮断されることはありません。このような場合、K-kitを回転させたり、傾けたりする必要はなく、クリアな信号を得ることができます。

 

K-kit本体を傾ける必要がなく、金のEDXシグナルを直接検出することができました。金ナノ粒子は、K-kit中のAuCl4溶液の還元過程で生成されたものです。今回の試験では、TEMカラムの試料エリアの周囲に4つのEDX検出器を備えたFEI Talos TEMを使用しました。

 

 

各種TEM装置におけるk-kitのEDX検出可能領域

・K-kitにAuCl3溶液をローディングしました。

・TEM観察時にK-kit内のAuCl3溶液が電子線照射を受けることで、金ナノ粒子が析出します。

・K-kitの向きや傾きを変えてAuシグナルを検出することで、EDX分析に適したK-kitの使用方法を明らかにできます。

 

 

 

例A

・TEM:Hitachi 7700

・EDX:シングルディテクター

・液体試料:AuCl3

・傾斜角:0°, 10°, 20°

・測定エリア:中央部

 

 

 

 

例B

・TEM:Hitachi 7700

・EDX:シングルディテクター

・液体試料:AgNA

・試料前処理:ウェットモード

・傾斜角:20°

・測定エリア:左側

 

測定位置

 

 

 

   

 

 

回折パターン解析

K-kitを使用して液体中のナノ粒子のTEM回折パターンを得ることができます。

 

 

NBD (ナノビーム回折)

SAD (制限視野電子回折)

上記の例は、AuCl4溶液を用いた還元処理によりAuナノ粒子を形成し、FEI Tecnai TEM @200kVで分析しました。

 

 

K-kitで使用できる限界温度範囲について

一般に、K-kitの適用温度範囲は-40℃から120℃です。しかし、わずかな温度変化で体積や物性が大きく変化するような特殊な液体試料では、その温度範囲内でも破損する可能性があるため、K-kitは使用できません。

 

K-kitの液体サンプルを極端な温度条件でTEM観察する必要がある場合は、オーブンでの加熱や液体窒素への一定時間の浸漬などの事前検査を行い、構造に損傷がないか、Cuグリッドとの緩みがないかなどを確認し、TEM観察時のリスクを低減されることをお勧めします。

 

例A

ギャップ2umのK-kitに100nmφのポリスチレンビーズを含む溶液をローディングし、温度120℃のオーブンで0.5時間加熱した結果、構造体に損傷は見られず、正常であることが確認できました。(OM像,透過光)  

 

オーブン加熱前

 

オーブン加熱後(@120℃、0.5hr)

 

 

 

 

B

ギャップ2umのK-kit試料にAuCl4溶液をローディングし、液体窒素中、-77K付近で0.5時間浸漬した結果、構造に損傷は見られず、正常であることが確認されました。(光学顕微鏡による透過像です。)

 

 

 

液体窒素冷却前

液体窒素冷却後(@ -77K、0.5hr)

 

 

 

ご興味があれば次の項目もどうぞ

・バイオと有機サンプル前処理

・K-kitの使用方法

・バイオ・ナノ分野への応用