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生体試料分析

バイオ分野では、ナノドラッグや血液、細胞、組織、さらには医療機器など、さまざまなものが観察・分析対象となります。生体試料は水分を多く含むために、TEMのコントラストが低くなりがちです。そのため、試料本来の構造を維持した適切な試料調製が重要な課題となっています。

 


日立 HT7700は、生体組織の観察に適した透過電子顕微鏡です。

 

 

MA-tekでは、ネガティブ染色、CPD、ウルトラミクロトーム、クライオ処理などの試料調整に加え、独自の電顕用液中サンプル観察ツールも提供しています。

 

  • ネガティブ染色

  • 樹脂包埋

  • ウルトラミクロトーム

  • クライオウルトラミクロトーム

  • 臨界点乾燥

  • クライオトランスファーシステム

  • K-kit(電顕用液中サンプル観察ツール)

  • TEM

  • SEM

 

 

技術コンセプト

ネガティブ染色

有機物や生体試料はC,H,Oなどの軽い元素で構成されているものが多く、電子顕微鏡像のコントラストが低くなります。コントラストを高めるためには重い元素(金属)で染色する方法があり、これをネガティブ染色といいます。

 

(例) 生体試料-PLGAナノ粒子

(例) 生体試料-リポソーム

 

 

樹脂包埋とウルトラミクロトーム

細胞、細菌、組織、臓器、合成生体材料など、水分を多く含む生体試料は、固定、脱水、樹脂包埋の工程を経てウルトラミクロトームで超薄切片を作製する必要があります。得られた超薄切片はTEM観察用にCuグリッド上に回収します。

 

(例) 生体試料-白血球

(例) 生体試料-ラット肝臓

 

 

臨界点乾燥

水分含有量の多い生体試料は、SEMで観察する前に、固定(グルタルアルデヒドによる)、脱水(エタノールによる)、臨界点乾燥(超臨界二酸化炭素による)、PtやAuのスパッタコーティングを行う必要があります。

 

(例) 生体試料-細胞を固定、脱水し、Pt薄膜をコーティング後にSEM観察;~200nmの金ナノ粒子を可視化

 

 

 

クライオトランスファーシステム

クライオトランスファーホルダーは、クライオ電子顕微鏡(クライオEM)用に凍結水和試料の低温移送や観察が必要な用途に使用されます。

 

クライオTEMを用いると、溶液を急速に凍結し、昇華温度未満に保ってTEMで観察することができます。ナノ物体の形態、サイズ分布を高解像度で分析することができる。さらに、分散性も元の液体状態と同じように「凍結」されているため、強凝集や弱凝集などの凝集状態を調べることができます。

 

(例) リポソーム, 二重層構造を示す

 

 

 

 

アプリケーション

MA-Tekは、電子顕微鏡観察用の様々な生物試料の調製について、専門的かつ高品質なサービスを提供しています。

 

 

 

 

装置

 

 

  • TEM, 日立 HT7700

透過電子顕微鏡(TEM)は、高エネルギー電子ビームを試料薄片に照射します。加速電圧120KeVの入射電子は、試料と相互作用しながら透過し、これをCCDカメラで検出することで拡大画像を得ることができます。

さらに、試料から発生するX線を検出することで試料の構成元素を分析できます。

 

 

  • SEM, 日立 S8220

走査電子顕微鏡(SEM)は、電子ビームを試料上で走査します。加速電圧5~10KeV、直径10nmφ以下の入射電子が試料原子と相互作用し、試料表面から二次電子、反射電子、X線等が発生します。二次電子は主に試料表面の凹凸、反射電子は表面の組成を反映し、それらの画像を得ることができます。X線は試料の構成元素の分析に利用できます。

 

  • ウルトラミクロトーム ライカ  EM UC7 

ダイヤモンドナイフを用いて、TEM観察に必要な100nm以下厚みの超薄切片をスライスできます。

生体組織、細胞、細菌、一部の医療材料では、包埋、凍結、化学固定などの前処理が必要です。

 

  • クライオウルトラミクロトーム, Leica EM FC7 

EM FC7は、ウルトラミクロトームを用いて凍結試料を作製するための付属装置です。-15℃~185℃の温度範囲で、ポリマー、ゴム、生体組織の超薄切片が作製できます。

 

  • 臨界点乾燥装置, Quorum K850

水分を多く含む生体試料をSEMで観察する場合、まず試料の前処理を適切に行い、臨界点乾燥装置で水分を除去する必要があります。

臨界点乾燥装置は、液体CO2を試料に完全に浸透させた後、臨界状態でCO2ガスを放出することで表面張力による変形や破壊なく乾燥工程を行うものです。