DRAMは、PCに使われるのメモリの1つです。ソフトウェアの実行や、データの保存にも使用されるメモリは非常に高い需要があります。DRAMはコンデンサに電荷を蓄えることで情報を保存しますが、この電荷は時間とともに減少するため、保存されたデータを繰り返し書き換える必要があります。さらに、電源を切るとすべてのデータが消えてしまう、揮発性メモリです。
DRAMの製造技術にはいくつかの重要な課題があります。
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コンデンサの電荷損失を減らす方法
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電極面積を縮小しながら静電容量を増大する方法
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高アスペクト比のトレンチをエッチングし、誘電体層と金属層で覆う方法
下図は、DRAMの最新の先端製造技術を示したもので、ワード線の線幅は36nmです。従来の平面ゲートに代わって、リセスゲートが採用されています。そのため、ウェーハ上にエッチングされたナノトレンチと誘電体層の厚さの制御が非常に重要となります。
市販されているサムスン製DRAMのTEM像 |
(a) 断面図 (b) 平面構造のレイアウト |
(c) ワード線に沿った断面図 (d) ビット線に沿った断面図 リセスゲートが明瞭に観察できます |
下図は、あるDRAM製品のコンデンサ構造における誘電体材料の組成分析です。TEM/EDXを用いて、コンデンサの両電極であるSiGe/TiNとTiNの間に、ZrO2-Al2O3-ZrO2の誘電体薄膜が明瞭に確認できます。各層の厚さはそれぞれ2.6nm、1.4nm、6.4nmですが、TEM/EDXでそれぞれの組成を検出することができます。
(a) DRAMコンデンサにおけるZrO2-Al2O3-ZrO2誘電体層 (b) ZrO2-Al2O3-ZrO2誘電体層のTEM/EDXによる解析結果 |